【路線バス探訪】横浜市交通局・18系統
18系統(矢向線)は、鶴見駅前からを市場・尻手を経由し、矢向に至る路線として、昭和24年に開設された系統です。 当初は鶴見駅前を出ると現在の16系統のルートを進み、市場バス停の先を左折し京急線の踏切を渡り、熊野神社前に至る経路とされていました。踏切を二度渡ることによって定時性確保に課題が出たのか、昭和29年に金剛寺前経由とされたのち、終点を矢向駅前に延伸。更に営業所への出入庫も兼ねて起点側も鶴見車庫前(現、生麦地区センター前)に延伸され、現在に近い路線となりました。昭和56年に現在の鶴見営業所に移管されると、起点は生麦まで再延伸されています。 本系統は利用客の減少を踏まえ、大規模再編成において全路線を廃止する方針でしたが、生活交通バス路線に指定されたことで継続運行がなされ、市の一般会計から補助金を受けることで赤字分を補てんしています。かつては江ヶ崎を経由する路線も存在しましたが、72系統が臨港グリーンバス(現、臨港バス)へ移譲された平成19年に運命を共にし、江ケ崎町から市交は撤退しました。道路狭あいのため長きに渡り中型車で運行されているほか、平成15年〜平成28年は当時在籍した小型車での運行も見られました。 18C 生麦~鶴見駅前~元宮~矢向駅前 18D 鶴見駅前~元宮~矢向駅前 営業係数:187.0 (令和5年度) ▲鶴見上町~金剛寺前 鶴見川に架かるこの鶴見川橋は河川改修に併せて、平成9年にこのアーチ橋に架け替えられました。 ▲市場小学校前 背後には大規模マンション群となるヨコハマオールパークスが広がりますが、平成14年まで当地には日野車体工業横浜工場がありました。つまり横市交の日野車は長きに渡りいわば地産地消をしていたことになり、同社製車両を指定していた営業所が多かったのはこの縁なのかも知れません。 ▲矢向三丁目 JR南武線尻手駅を過ぎ、この辺りは主にJR横須賀線が使用する品鶴線と並走します。 ▲矢向駅前 JR南武線で唯一横浜市内に所在する駅で、その由縁もあってか周囲は臨港バスが幅を利かせる中、今日に至るまで市交も路線を展開しています。駅前のロータリーは非常に狭く、中型車が折り返すのでいっぱいいっぱいです。