【路線バス探訪】横浜市交通局・2系統
2系統(港南線)は、終戦直後の時期に既に現在につながる基礎が見られる系統で、昭和20年代の終わりから昭和40年代にかけては大船駅前~横浜駅前を結ぶ長距離路線となっていました。なお本系統としてではありませんが、市営バスの路線そのものは、昭和3年に既に横浜駅前~尾上町~宮元町1丁目~井土ケ谷間と弘明寺~日野間の路線が開通しています。
昭和43年に港南車庫前と県庁前(現、日本大通り駅県庁前)を結ぶ路線を追加したのち、昭和48年からは横浜駅前発着の路線は港南車庫前までとして大船方面は40系統(2代目)に分離し、さらに市営地下鉄の横浜~上永谷間が延伸開業した昭和51年に、横浜駅前発着を廃止しました。
一方で、県庁前発着の路線は存続となり、平成3年に港湾病院に延伸。さらに平成17年の港湾病院の再整備に伴って起終点が移転したことで港南車庫前~みなと赤十字病院となり、これが最近までの路線形態となっていました。しかし、病院へのアクセスが目的とはいえ、依然長距離路線だったことを踏まえ、令和3年のダイヤ改正により上大岡駅前を境に分断。港南車庫前発着は一部が出入庫便を兼ねるようになった一方、みなと赤十字病院発着は磯子所管となり平日7往復、土休日3往復にまで減便されました。
令和6年のダイヤ改正により、磯子所管となったみなと赤十字病院発着が運行終了となりました。路線の大部分が神奈中の船20、港61系統などと並行していることに加え、上大岡駅前~尾上町(関内駅)では市営地下鉄ブルーラインともほぼ並行していることから、代替路線は確保されているものと判断されたのでしょう。
- 2B 港南車庫前~日野小学校前~上大岡駅前
2E 上大岡駅前~吉野町駅前~日本大通り駅県庁前~みなと赤十字病院
※令和6年3月31日までの運行
営業係数:162.6(令和5年度)
▲上大岡駅前
約20年見られたこの行先も、上大岡駅では見られなくなりました。磯子所管ということでエアロスターもやってきます。
▲向田橋~南小学校前
向田橋~弘明寺間は市交では本系統のみが走った単独区間で、2系統Eの廃止により撤退しました。
▲本町4丁目~本町1丁目
本町三丁目交差点をこの方向に右折するこの光景も見納めとなりました。
▲みなと赤十字病院
市交としては引き続き58・66系統が乗り入れますが、土休日は58系統の午後3便のみとなります。
※路線紹介文の歴史部分の執筆にあたっては、rissさんにご協力をいただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
令和6年3月21日 公開
令和6年4月1日 2系統E廃止に伴い一部改稿
令和6年10月1日 営業係数を記載
令和7年3月5日 路線紹介文を加筆修正
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